いつもいっちゃん

ザ・ホエールのいつもいっちゃんのレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
5.0
ダーレン・アロノフスキー監督のエグられる様な人間讃歌。
本年度アカデミー賞でブレンダン・フレイザーがアカデミー賞主演男優賞受賞。
メイクアップ・ヘアスタイリング賞の計2部門受賞。
また助演女優賞にホン・チャウもノミネート。

正に圧巻で衝撃的。そして感動しました。
舞台は密室であり、画面画角が狭い中で登場人物も少ない。
その効果もあり、浮かんでくる意外性に満ちた人間関係に深みと余韻が満ちていた。
もう映さなくても彼の過去が浮かんでくるよう。
死期の近い体重272キロの巨体を持つ男の孤独と後悔が胸を打つ。
最期の5日間で見出す人との繋がりの意味。
姿を見せられない故の彼の生活リズムもリアルで、また周囲の反応もリアル。
そこもかなり容赦なく描きつつ迎えるクライマックス。
正にヒューマンドラマの傑作でした。
そして主演男優賞受賞も大納得のブレンダン・フレイザーの熱演も見事。
過食を繰り返し、孤独と後悔を抱える姿は観ていて心がエグられる様。
あの体の動きも凄かった。
巨体の作りも特殊メイクの凄みを感じました。
何故作品賞ノミネートされなかったのか、、、。