ピロシキ

ザ・ホエールのピロシキのレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
3.2
アカデミー賞にノミネートされたのが3部門(主演男優賞、メイクアップ賞、助演女優賞)だったという事実が、まさにこの作品を物語っているかのようである。ブレンダン・フレイザーの熱演と彼に施された精巧なデブメイク、そしてそれを支えるホン・チャウの演技は真に迫っていて素晴らしい。が、心に残ったのは本当にそれだけだった。

太り過ぎて立ち上がることもできず、ゼエゼエ言いながら死にそうになっている大男。「こうはなるな」とでも言いたげな、哀れむような描き方が気になってしまう。自暴自棄になって爆食いを始めたとたんホラー演出のような音楽が流れてきて、なおさら冷めてしまった。同性愛者でありながら子どもを持ったことに対する自責の念、罪悪感、そして娘への贖罪。それはわかるが、ところでなぜそんなに太ってしまったのだ。なぜ病院に行かないのだ。
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