ピロシキ

マッドマックス:フュリオサのピロシキのレビュー・感想・評価

4.2
全5章、148分。なのに上映終了後の疲労感が、驚くほどにない。そのまま5分くらい休憩したあと『デスロード』の上映に入ってくれてかまわなかったし、むしろそうすべきだろうって言いたくなるぐらい。あの大名作の、本当に直前までを描いた前日譚である。スター・ウォーズEP4の直前までを描いた、これまた名作の『ローグワン』と同じ感覚。

デスロードではたいした説明もなかったし、だからこそ映像に全集中できたってところはある。その物語だけを今さら懇切丁寧に説明されても冷める、っていうのもまぁたしかにある。ただ前日譚である以上、語られなければならない物語はあるわけで、(アニャ似すぎてCGを疑う)幼いフュリオサと母を中心に据えてストーリーテリングに終始した1章2章にも、ある程度の必然性を見出すことはできる。

しかしその直後。満を持してアニャ降臨の3章を"一本道走る"のみで押し切ったところで、やっぱ最高〜〜ってなっちゃった。前作の棒高跳びを上回る「空からの飛来」も、名前を忘れたあの「鉄球グルグル」も、もうめちゃくちゃすぎる。

このあとデスロードに初めて触れる人が正直羨ましいとすら感じる。でもこの新作を単なる「前菜」扱いする気はない。あ、でも途中めちゃくちゃキャベツが飛ぶからやっぱ前菜でいい。満足、しかし満腹にはならない。それは、この物語のあとにとんでもない「主菜」が控えていることを、既に知っているからである。ってことでメインディッシュ、また見返すとするかね。
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