最後ずっと泣いてた。不摂生による醜悪な体、身勝手に家族を捨てるという行為、これらに強烈な嫌悪感を抱く自分にとって、この映画で泣いている自分が理解できなかった。
いま落ち着いて振り返ると『対峙』で流した涙と同種な気がする。どうしようもなくダメな人が、そのダメさを十分に自覚さえもしていない中で、救いを求めて苦しんで泣いている。その姿に共感し、赦し、流す涙。
よくわからないけど最後は泣けた、という感想の裏にこのような気持ちがあるとするならば、そしてそれがこの映画の狙いだとするならば、なんだかすごい作品なのではないだろうか。