怒りのデスロードの舞台裏がYouTubeで公式公開されていたので。マッドマックスサーガを爆発的に全世界に轟かせた「怒りのデスロード」、エネルギッシュな内容に制作が大変だったのは想像に容易いです。インタビューと資料を用いて語られるその壮絶な道程は、この映像自体、監督スタッフ含めサーガに組み込まれていたと言っても過言じゃないと個人的に思わされる熱量。
散歩中のふとしたアイデアが時を経て肉付けされ絵コンテとなり何十年後に映画という形で顕現されるまで、社会情勢やロケ地問題、俳優陣のいざこざに予算・スケジュール問題、制作会社の圧力と、時に政治的時に物理的にと撮影が中断・不可能となるわけです。その度に改造車は解体。改造車一台作るのも楽じゃなく、それをスクラップ&ビルド・スクラップ&ビルド…丹精込めて制作したものが陽を浴びない連続にスタッフ達は精神をやられてもおかしくないでしょう。現場に混乱する俳優や安全面に気を揉む監督も同様、撮影空間が狂気で充満しています。この現場で人死にが出なかったのは奇跡。
笑ってしまったのは異常気象で大雨が降りロケ地の砂漠が緑豊かでとても美しい外観になってしまい撮影がながれてしまったというエピソード。文字面だけ見たら美しいストーリーだけど制作陣にとっちゃ最悪すぎる出来事。緊張で張り詰めていたのは間違いないけども、監督に対する信頼みたいなものはスタッフ一同から感じるし、イモータンジョーが士気あげてるオフショット可愛すぎだし、ジャイロ役のブルース・スペンスが出てるのも盛り上がるしと胸が熱くなるポイント多し。ジョージミラー、ユーモア溢れる締めの言葉もお上手！こういう何十年かけて世に放たれた傑作を知ると、今こうしている間に自分にとって人生を変えうる大掛かりなプロジェクトが水面下で動いているのかと思っちゃって、僅かながら生存意欲を沸かさせてもらいました。
