ダイナ

マルセル 靴をはいた小さな貝のダイナのレビュー・感想・評価

4.2
靴を履いた小さな貝のドキュメンタリーをYouTube公開したらバズっちゃったOMG!なハートフルストップモーションモキュメンタリー。フィクションの生物へのインタビューは幼い子との取り止めのない会話のようで、キュートなルックに無邪気さ見せる自然な振る舞い良い!

実写舞台にネイチャーでファンシーな創作のいきものが動き回るという、似た例で言うと「ピクミン」のような世界観。テニスボールを車代わりにしたりミキサーを収穫道具に使用したり、人間の生活圏にこっそり建てられた居住空間は安らぎのエアポケットで既存の道具を活用したジオラマ感はアイデア豊富で見ていて楽しく、バズったマルセル君どう動くという展開が進みながらもインタビューは続いていき、見える世界が広がったことで世界への興味が増していく姿が愛らしくて良いです。ゲロ天丼ネタや「ZZZZZZ」etc、笑いたくさんな内容は飽きさせず、純粋ゆえにそれ言ってやるなみたいな人によっては痛烈なツッコミが時たま出る所などなどのユーモア描写も良かったです。

悲しいことにバズの負の側面もやや描かれており心苦しいものの全面的に「人間界って良い世界、Peace!」っていう映し方より個人的好み。我々にとって貝の生き物の日常は非日常な映像、しかし「こんな世界ある」納得感が強い本作は日常ドラマとして違和感なく、マルセル君にとってバズったこと(というかインタビュー受けてからかコミュニティ崩壊からか)で非日常が始まるというさざ波のような展開は人間のそれと遜色なく。人にとっても貝にとっても日常であり非日常でもあるような要素を描いた本作は人生、「貝生」を創意工夫のアイデアで映した良作です。
ダイナ

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