dm10forever

ハッチング―孵化―のdm10foreverのレビュー・感想・評価

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)
3.9
【意外とアリかも・・・】

若干の「ヤバみ」を感じつつも、何故か「北欧×ホラー」というあまり触れる機会のないテイストにフレッシュさを感じて、気がつけば2日前に一番乗りでチケット購入。

『ミッドサマー(2020年公開)』のような「北欧を舞台にした作品」であれば、雰囲気や民族的な特徴といった部分をフィーチャーすることで「北欧」を描くことが多いんだけど、今作のような「北欧発のホラー」って、どんなに絵的な構成や人物の表情が明るくても、どこか閉鎖的な雰囲気が付きまとうというか、どこか「逃げ出せない」ような雰囲気がずっと足元を流れ続けるみたいな、独特の不穏や不快感を感じる。

それはこの作品でもやっぱり感じた感覚で、一応Filmarksでのカテゴライズも「ホラー」とはなっているけど、いわゆる「おぞましいような怖さ」を感じるタイプのホラーではないので、そういった意味で肩透かしを感じる人もいるかもしれないけど、どちらかというと「ダーク・ファンタジー」的な要素も強いのかな・・・っていう気もするので、そういうのが好きな人には合っているかもしれない。

例えていうなら「ギレルモ・デル・トロが好みそうな物語を『ぼくのエリ』の製作チームで作ってみた」っていう感じかな。

フィンランドのホラーは始めてみましたが、これはこれで嫌いじゃないです。
そうだな、「ぼくのエリ」を初めて観たときに「怖さ」とそれ以上の「切なさ」を感じたような、不思議な感覚。

ちょっぴり「グリム童話」のような後味の残る一作で、好みは分かれると思いますが、僕的には嫌いではないです。

あとはネタばれもあるので、卵の中に隠します・・・。
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