田山信行

バイオレンスアクションの田山信行のレビュー・感想・評価

バイオレンスアクション(2022年製作の映画)
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思ったよりも原作をハズしていなくて良いアレンジ具合。邦画でウケそうなトレンドを節操なく取り入れてみた感じだがそれらが足を引っ張ることもなくテンポ良く進むのでノイズにもならず。タイトル通りに血生臭いのを最低限やってるのも良いですね。ややメリハリに欠けるけど邦画で出来る手合いが少ないのでそこはまあ。

予告編の佐藤二朗を観た時はジェネリック福田雄一かよ……って思ったが近年の福田雄一作品よりも佐藤二朗の使い方は上手い。脈絡なくおふざけを入れる様な手癖でもなかったし。

決して突出したものはないものの身体能力の高い橋本環奈の本格的なアクションを存分に堪能。アクション撮影の為に最先端のシステムを取り入れるとかアクションありきで企画が立っているのは素晴らしい。仕上がりはまだ実験的という感じだったが。

その売りのボリュメトリックキャプチャとのバランスを考えてなのか映像加工著しくライブ感の薄れたアクション描写だが飛び跳ねながら二丁拳銃撃ちまくる軽快さは嫌いじゃない。近年のガンアクションって銃の運用とかリアル寄りのものばかりになってしまってるから。より精度の高いアクションは続編あれば期待。

『ザ・ファブル』と同じく漫画原作でアクション邦画が盛り上がっていくのは歓迎だが欲を言えばTVドラマ出身の監督より企画を任せるに足る人材が他にも居るはずだと。それを拾い上げることもして欲しい。

続編やるとしたら無法楽園編あたりだろうか。離島という舞台は映画的。今回は致し方ないとして、もっとだりあの出番欲しいし軽快に動くババアも観たい。みちたかくん再登場も必須だろう。それとも囚人倉庫とかかな。
田山信行

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