このレビューはネタバレを含みます
正直、存在すら知らない状態で時間の都合が良かったという理由だけで鑑賞したのだが、これがまぁ当たりも当たり。
愛すべき負け犬たちが獅子舞バトル(この題材がそもそも馴染みがなかったのだが実に面白かった)で成長していく様がハチャメチャに熱くて面白い。終盤の展開には思わず熱い涙が流れる。
少女との出会いで獅子舞を始め、数々の挫折を繰り返しながらも成長していくという内容は王道スポ魂もので、シンプルに熱くて良かった。ジャッキー・チェン始めカンフー映画を彷彿とさせる修行シーン等は面白く観れた。
映像は実に美しく、最初に自転車で駆けるシーンで一気に作品に引き込まれる。また、全体的に動きが素晴らしく、獅子舞の動きは迫力があり、所々のキャラクターたちの動きはコミカルで面白い。またカラフルな獅子舞が集まるシーンは華やかで素晴らしかった。
後半、チュンにとってとにかくキツい展開が続く。それがあるからこそ最後、奇跡に向かって飛び上がるその姿を映画の中の観客と同じように純粋に応援することが出来る。
太鼓の音が重なっていくシーンには胸が熱くなり、思わず拳を握りしめていた。
人生は数え切れない程の辛いことがあるが、希望を諦めずに生きていく勇気がもらえる作品だった。
観終わった後は、心の中の獅子が吠える声が自分にも聞こえた気がした。