暁月

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Societyの暁月のレビュー・感想・評価

5.0
神山健治監督の「攻殻機動隊 S.A.C. 」シリーズの第3弾長編アニメ作品であり、3D版は劇場公開もされた。

草薙素子が公安9課を去って2年…トグサをリーダーとし、9課自体も拡大される中、バトーは「個人的推論による、独自調査」と称して別行動をとる事が増え、組織内でも浮いた存在になっていた… 

このままオリジナルの9課メンバーはバラバラになってしまうのか?

って感じで不安な立ち上がりを見せる本作。
今作のメインテーマは「高齢者問題」を軸に「児童虐待」「集団誘拐」と、中々に骨太なエンターテイメント作品となっております。

まずはバトーに気を使いながらも自覚を持って自ら9課を率いているトグサの姿に胸を熱くさせられます。

他のメンバーもトグサを認めてサポートしている感じも上手く表現されていると思います。

作品の時間軸的には、押井守監督作品「イノセンス」とパラレルワールド的位置づけに感じられる所もあり、ラストの方では「イノセンス」と逆じゃん!って感じるシーンも…

素子も「イノセンス」では個を捨てネットの世界にダイブしているのに対して、本作では「組織て執行できる正義」に限界を感じ、単独での「身勝手な正義」で捜査を行う…

「違う個」の在り方を見せてます。

最終的にはファンが喜べるストーリー展開になっており、その辺りも「イノセンス」との対比なのかな?って、個人的には思ったりします。

3D版での電脳通信の立体感は素直に臨場感を感じられ、作品への没入感がありました。

今作は娯楽的楽しみも多分にありますので、是非とも一度は観て頂きたい作品です!

「イヤー オヒサシブリデス♪ドォーモー」にやはり涙…
デモウレシイ!
暁月

暁月