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NOPE/ノープのchiesomのネタバレレビュー・内容・結末

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

大きな飛行物体の正体が「白人の目」だったと分かったとき深い余韻に包まれた。

「みちゃだめ、みちゃだめ、、、、、」と逃げる兄弟のシーンが印象深い。彼らは祖先のバックボーンや人種の歴史として「見ちゃだめだ、、、」を強いられてきたのだと思うと胸が痛くなる。

同時に、人種差別に実感のない私も未確認飛行物体というメタファーを通して「見ちゃいけない恐怖」を体感できたのは実りある学びだった。

個人的には、動物や獣は目を見ることで警戒や敵対を示す(おじいちゃんカメラマンが見ていた映像は動物の威嚇した目と、その後に捕食する映像だった)けれど、

深い繋がりから生まれる関係性の人間同士だけには、目を見る・「見ているよ」という視線で愛情を示すことができ、

そこが他種と人間の違いなのかなと感じた。

最後の飛行物体のビジュアルはすんごく綺麗で圧巻だった。グリーンの色味やヒダの揺れや層が美しかった。

ラスト、妹が写真を撮った後、観客に向かって話すセリフが印象的だった。
「私たちは誰にも負けない。」(的なセリフ)
グッときたあー。
領土や文化を搾取、消費されてきた彼らが暴力ではなくテックや人力、チームプレーを駆使して戦い勝ちをもぎ取る。史実とは異なるかもしれないけれどそうやって権利を獲得していったことは本当に気高く、胸を打たれる。

お兄ちゃんの目がさー、とろんとしててかわいいのよね。ゲットアウトでもナイス演技だったけど、更に磨きかかってた!表情の演技うますぎ!!!!「ノープ…」なシーンは圧巻よ。笑
大袈裟な「ノープ…」だって映画的には許されるはずなのに、あの「ノープ…」はすごいよ。笑
「もうオワター」感が半端ないもん。笑
実際にアレに遭遇したらああなるよなって思う、一回見なかったことにして寝るよね。ほんとに。笑

未確認飛行物体ものとしても楽しいけど、やはりそこに込められたメッセージに深い感銘を受けた映画だった。

チンパンジーの部分は何の隠喩、メッセージなんだろう。あまり理解できなかったから解説を聞きたい。
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