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哀れなるものたちのchiesomのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

終始、画面がファンシーな悪夢みたいで楽しかった〜!毒っ気と中毒性のある感じ。あと衣装がほんっとに可愛い!

主人公がどんどんと成長していく姿に胸が熱くなる。しかも成長の仕方がなんともリアルというか。赤ちゃん、幼女から始まって、世界への好奇心が出て、食欲と性欲を謳歌して、世界の美しさに心を奪われて希望に満ちて(全能感な感じ)、無鉄砲で根拠のない勇気とか希望を世界に抱いて、段々と知的好奇心が出てくる。読書を通して知性が付くと、見えなかった世界が見えてきて現実の闇に気付かされて、絶望して、それを打破するためにさらに学習して、自分の力で医者になり、過去を暴き、過去の自分と母親を救う。

女性が女性を、自分を、救う物語だったなあと思った。

主人公を囲む男性たち、特に弁護士はまさに哀れなるもの、よね。最初は主人公を下に見てるのに、彼女の魅力に取り憑かれいつのまにか自分より成長成熟してしまったことに腹を立て、置いてかないでと懇願し、最後は自分の弱さを主人公が成長してしまったから悪いんだ!と責任転嫁し復讐を仕向ける。そんな姿は哀れで胸が痛い。ミソジニーだしインセルの発想言動に近いと思った。

将軍はパワハラモラハラ男。やばすぎて笑った😂そりゃ、ああされて仕方ないよ。笑

他の男性たちが有害な男性性に取り憑かれてる中、婚約者の男性は素敵だったように思う。湖畔の横を2人で歩くシーンが良い!「私たちの現実的な愛が好き。」「僕は情熱もあるよ!」みたいなやりとりがめっちゃ可愛い。

成長の過程や、女性の日常を描くなら、生理の描写があってもいいのになあと思ったりした。

風俗館で仲良くなった彼女が知性的なのもいい。遊びに来てるんだか一緒に暮らしてるんだかは謎だけど親交が続いてて嬉しくなった。もしかしたら3人交際とかなのかなあとかも思ったり。

ブルドックアヒルが闇可愛い😂ラストのシーンは毒の強い絵画のよう。地味にお手伝いさんもお手伝いの任務を解かれてフリーダムになってるのがいいよね。

2時間半は結構長いけど、画面の中毒性のある面白さと奇妙さ美しさにしっかり見続けてしまった!まさかの妊婦映画でもあった!笑
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