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ソナチネのchiesomのネタバレレビュー・内容・結末

ソナチネ(1993年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

かっこよかった。画面が常にアートっぽいというか、、、、かっこいい。左右対称の構図だったり、遠めのショットの構図だったり、色味だったり。

あと常に死が隣り合わせで、急に人が死ぬ。しかも死ぬ時は一気に死ぬ。

人の死について武さんが大きく感情を表さないところが余計に不穏。常に不穏。言葉も少ない。

でも中盤の沖縄はすごく楽しそうで、そこが楽しそうであればあるほど、この先の展開を予感してヒリヒリする。

ファニーとシュールと微笑ましいと死のバランスが絶妙で、あの死と隣り合わせの緊張感にヒリヒリしながら見続けちゃう中毒性がある。
直接的な暴力はほとんど無いのにね。

終盤、仲間がみんな急に死んで、車の中で作戦決行を待つ武さんの無の表情がすごかった。
仲間を失った悲しさとかそんなのも飛び超えて、すべての生への諦観を感じる表情。胸がえぐられる。

ラスト、沖縄でロシアンルーレットをした記憶とリンクして、もうなんとも言えない。

ただ茫然とすごいものを見てしまったって動けなくなるような感じ。
かっこいい、と、苦しいが同時に押し寄せる、不思議な鑑賞後感。
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