マテ

モラルセンス ~君はご主人様~のマテのレビュー・感想・評価

5.0
なにこれすごい、恐ろしくいかがわしい邦題なのに、中身は可愛すぎるラブコメだ。ピュアすぎるにもほどがある。これが胸キュンか…!?
ご主人様として命令するジウさんは格好良くて美しすぎるし、中盤で新入社員に嫉妬して駄々をこねるチョン代理も可愛すぎて無理。あの場面でシーンが次々に切り替わるのめちゃくちゃよかった。ジウさんの「やめなさい」に痺れる。こういう恋愛なら理解できる気もするんだよな、何が違うんだろう。多様性への尊重があるし、“当たり前”とか“普通”の抑圧がないからかも。それぞれにそれぞれの望みがあって、それが他者を傷つけたり踏み躙ったりしない限りは肯定するという姿勢が感じられて、観ていてなんだか安心できた。
SMの主軸は身体的快楽だが、DSの主軸は精神的な快楽だと作中で説明されていたのが思いのほか心に刺さって噛み締めている。フィフティシェイズオブグレイでその“精神的なつながり”を感じられずにイラついちゃった私を、この映画が癒してくれた。あまりにもよき。冒頭から繰り出されるギャグシーンにも声出して笑った。異様なドゥンドゥンが気になりすぎる。首輪を再利用し続けるのもちょっと面白い。新しいの作らないの含めてプレイなの…?
DSがテーマだからといって映像的な過激さばかりも求めすぎないところも大好きだったし、プレイのシーンも“精神のつながり”があることがしっかり分かるかたちで描かれていたので大満足した(逆に“最後のプレイ”の虚無感には泣いた)。これは予想外に良作。自分の中に存在していた謎の扉を見つけてしまった感がある。その扉から中を覗き込んで、部屋には何があるのかを見極めたいような気持ち。
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