あまんだ

PIGGY ピギーのあまんだのレビュー・感想・評価

PIGGY ピギー(2022年製作の映画)
3.7
太っている事で、いじめられている少女サラ。
元は親友だった子にもいじめられ、鬱屈を募らせていたある日、プールで酷い苛めにあったサラの目の前で、件のいじめっ子達が、血まみれで、おっさんにバンで連れ去られるのを見て、通報するかどうするか、みたいな話。いじめっ子達が、典型的なただのイキってる田舎娘で、鼻で笑う。都会に行ったらただの芋やけど、田舎ではいけてると勘違いしてるのが。
芋やけど、現代っ子なので、SNSを駆使して嫌がらせをしてきたり、腹立たしい。アジア人の私から見ると、外国の女の子と言うのは大人のように見えるのだが、実際は、高校生なのでいちいちオカンに遊びに行っていいかどうか聞かなあかんような洟垂れのくせに、いらん事だけはがんがんしよるので、腹立たしい。しかし、罰あたったんか、変なおっさんに目つけられて、酷い目に遭わされる。はっきり言って、映画なので、いい気味やで!ハッハー!と、極悪なミッキーみたいになってもたが、実際こんな事なったら悩むよね。自分しか見てないから、早よ言わな、間接的に自分がやったかのように感じて、良心の呵責に耐えられそうもないけど、あいつらは嫌いやし。って。
と、モヤモヤ悩みながら、自身も何故かそのヤバいおっさんにつけ狙われ、周りからは、あんた、何か知ってんじゃないのかい?
て圧をかけられ、悩んだ末に頑張って底力出したあの娘はエラい。
サラのお母さんは、ちょい毒親風味の面倒くさいおばちゃんで、娘に愛情はあるが、支配欲も強く、彼女の自尊心を地の底くらいに打ち砕く発言が多い。もう高校生なんやから、娘に答えさせりゃいいものを、全部お母さんが喋り、発言の機会を与えないので、サラは打ち明ける機会を逃し、益々事態が深刻になると言う悪循環。元々そんな育てられ方なもんで、全く自尊心が無かったところからの踏ん張りをみせたので、ようやったなあ。って。例え、気の強い娘であったとしても、あの対峙はすごい事やのに、そんな娘があそこまで奮闘するのは、ほんま大変な勇気よ。
と、ホラーかと思いきや、少女の成長譚のようでもあり、ラストは、私の事なんて、皆嫌いに違いない…。て、後ろ向きになってたサラに、皆が皆、そうではない。と、気づかせてくれるようなラストで、爽やか青春モノみたいであった。
ちなみに、いじめっ子は改心しないので、とんでもなく酷い目にあっていた事も相まって、勧善懲悪ものでもあるかもしれない。
結局、サラに岡惚れしていた、変態のおっさんが、何者かは不明。そこ、ちょっとモヤった。
あまんだ

あまんだ