阿部サダヲはほんとこういう役が似合うなあ。
アスペルガー症候群という設定なのですかね。
行間が読めず、一度集中してしまうと周りがまったく見えなくなったりして、まともにコミュニケーションさえとれないことも多々ある。
けどそれは突き詰めると、ひとが本来もっているであろう純粋な情動を浮き彫りにしてくれているような気がいたしました。
それに周りが触発されることで、まきもと自身、察しとか忖度とか意固地とかに隠されてはいるけれど、ちゃんとそれは人々の中にあるのだと気づいていくことにもなるのですな。
ほら、あれですよ。いつもの。五十音の最初の二文字。
性善説に則った、こういうおはなしにすごく弱いのです。
がんばったよ。ほんとにがんばった。間違ってなかった。
主人公は行間読めないくせに、演出自体はこれでもかってほど行間読ませる構成。たぶんいろんなところで正確に読み取れてないような気がいたします。
ずっとキッチンで立って食事してたまきもとがちゃんとテーブルについて食事するきっかけとか。
時計のところとか。
なんとなくこうかなあ、というのはあるけれど、なんとなくぼんやりするようなしないような。一部若干抵抗があるような。むずかしいおはなしでした。
満島ひかりは、喪服の似合う女優さんになりましたなあ。