ピロシキ

LOVE LIFEのピロシキのレビュー・感想・評価

LOVE LIFE(2022年製作の映画)
2.5
これほんとに……矢野顕子の曲が元なのか?深田晃司監督、原曲からこんなに離れていても、愛していると言えるのだろうか。さすがにいろいろやり過ぎだと思う。仮に自分が矢野顕子で「矢野さんの曲で、映画作りました!」と言われてコレ出されたら「ア、そう…」と低く唸って終わる。

そもそも…団地に住みながら外で大声で叫んでご近所さんにサプライズを仕掛けたり、道端で出会った人まで連れ込んで爆音でカラオケ大会始めたりしても平気な価値観を持っているこの家族に対して、冒頭からこちらの喜怒哀楽はすべて消失したのである。

予告編にもあるビンタのシーンを境に深田晃司ワールドの緞帳が上がっていくのかと思いきや、最後まで意図のわからない行動や言動に引きずられ、結局誰の誰に対しての「愛」が主題になっているのかわからないまま終幕を迎えてしまった。いろいろ物申したい点はあるが、もう喜怒哀楽がないのでこれ以上付け加えることはない。

この映画の中に、矢野顕子を聴いたことのある人間は、おそらく一人も登場しない。
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