矢野顕子の同名曲ありき、で解決するはずはきっとない。
観客にも製作陣にも全く罪はないが、"LOVE"と"LIFE"というある意味やっかいなワード二つが組み合わさったタイトル、しかも邦画市場でプロモートする苦悶は想像に容易い。
起こりそうで何も起こらず、起こらなそうで起こる"ザ・深田晃司 ビート"に、「よこがお」では筒井真理子が、今作では木村文乃(語る涙袋!)が見事に応えている。
"愛の人生"どころか、目を合わすのも躊躇い、その場の感情ひとつでモノ言う人々の交差劇が壮絶。賛否分かれるだろうが個人的には大評価。
アッコさんの「LOVE LIFE」は91年でまだCD全盛期。その事実と本作におけるフィジカルCDの効果的な演出を対比してみると面白いw
同じく物語の重要プロップスとなる「オセロ」にせよ、時代で変容する商品の価値と脆さも遠回しに投影されている。
なにより平和の象徴でしかないはずの「黄色い風船」が出てくるシーンでは。。。
「"LOVE LIFE"というポジティヴな響き、矢野顕子さんの歌の大らかなイメージから、所謂ハートウォーミングなお話を予想される方がいらっしゃるかもしれませんが、もちろん、そんな、甘いもので、あるわけがない!」(宇多丸)