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LOVE LIFEのfilesのレビュー・感想・評価

LOVE LIFE(2022年製作の映画)
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タイトルの、LOVE LIFE。
「愛ある人生」なんてにこやかなものではなく、「人生を愛せ」という命令形だったんだな。

登場人物は、大事なシーンで視線も声も一方通行。無視する・無視される時に湧く感情を生々しく描いている。確かに日常によくある瞬間なんだけど、言葉のキャッチボールをした方が躍動感があるから映像にはされにくい動作。この映画では人の気持ちが通いあう時は、無音。
だから、月並みな言葉ですが、ひたすら「凄い」とおののいております、深田監督に。

ずんと深く沈んだときのまるで海の底にいるような静かな感覚、外界の賑やかさからふっと気持ちが遠のいて置いてけぼりになる感覚を、映像でこうも綺麗に表現できるのかと。
映画のなかで矢野顕子さんのLOVE LIFEが流れてきたときにもおんなじ感覚を感じたのね。「限りなく独り」という感覚。だから納得。
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