菩薩

マイ・ブラザーズ・ウェディングの菩薩のレビュー・感想・評価

3.8
文字通り「色を付けた」という感じで、モノクロがカラーになり多少の作劇性が追加されたがこれもこれで非常に生々しい生活実態。例えば置き配が普通に成立したりする日本では到底考えられない治安状態、客一人迎えるのにも銃を握り、一つ角を曲がれば銃を突きつけられる。前科者の更生と言う点ではさして変わらぬかもしれないが、職もなく生活を改めるつもりも無い親友の為に世話焼く主人公の努力が虚しい。もう一つの軸としてタイトル通り実の兄の結婚が進行していくが、彼は彼で学も財も地位も手に入れた名誉人種の様な扱いを受け分断が生じている。この二極化は彼等のコミュニティの中での正しい姿なのだろうし、かつての被差別時代を解雇する声もそれはそれでリアルなのだろう。変容する時代の中で前進していける者と取り残される者。日夜繰り広げられる父と息子のガチプロレスが微笑ましい、あとおませな「私をプロムに連れてって」少女。
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