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教育と愛国のdendohのレビュー・感想・評価

教育と愛国(2022年製作の映画)
4.5
2時間ずっと、いかなる露悪的なスプラッター映画よりも胸糞悪い気分を体験できる。ある種のホラー映画としてオススメ。

ベストアクターは『新しい歴史教科書をつくる会』伊藤隆。とても東大教授だったとは思えない非論理的な話しぶりが印象的だ。

教科書を作る目的について問われた時のやり取り。
伊藤隆『ちゃんとした日本人を作ること』
聞き手『ちゃんとした日本人とは?』
伊藤隆『左翼ではない』

この人、左翼を『偏ってる』と言うが、自分が偏ってるとは全く認識していない。そもそも歴史には本来イデオロギー性はなく、何が通説かどうかで決まるだけの話。そこに党派性が生まれてる原因はあなた方にあると、何故気づかないのか。

しかし森友学園の籠池氏、逮捕されて頭が冷えたのか、安倍晋三に対して若干批判的に語っていて笑った。

極めつけは『表現の不自由展』の開催を妨害する右派団体のシーン。彼らの恐喝行為には怒りを覚えた。このような状況に『表現の自由戦士』は何故声を上げないのか、理解に苦しむ(笑)

書籍がベースだが、2022年の最新のニュース/取材を元に再構成している(と思われる)ので、書籍の前にこの映画を観るというのは正解だと思う。
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