アギゴン

シスター 夏のわかれ道のアギゴンのレビュー・感想・評価

シスター 夏のわかれ道(2021年製作の映画)
4.2
(あらすじ)

医師になるため、看護師として働きながら北京の大学院進学を目指していたアン・ランの元に、突然の訃報が入った。それは何年も疎遠になっていた両親が事故で亡くなったと言う知らせだった。そして、両親には6歳になる男の子がいたと言う驚愕の事実だった
。幼い“弟”の養育を巡ってアン・ランは親戚中から「姉のアン・ランが引き取って育てるのが当たり前」だと詰め寄られる。
将来の夢の入り口を前にして、弟の存在がアン・ランの人生に思いもよらぬ形で影を落としていく…。

70年代から中国政府が打ち立てた「一人っ子政策」。その裏側で苦しむ人達が沢山いたんだと知りました。今はその制作も少子高齢化となった中国は、近年廃止となっているのだけど、「産め」だの「減らせ」だの…国民は国に翻弄されてっぱなし。その結果、アン・ランの様な辛い思いをした女性も沢山いたのでしょうね。私の想像しえなかった事がこの作品を通して知ることが出来ました。
政策が行われていた当時は女児誕生は「要らない子」。我が子を身障者扱いして、2番目(男児ねらい)を作ろうとする親の行き過ぎた行動に、腹立たしさを感じましたが、その国で生きていなければ分からない感覚なのかとも思いました。
色んな葛藤が渦を巻く中、それでも少しづつ弟のズーハンに「姉」としての母性に似た感情が芽生えていき、ズーハンの純真な心に触れ、ますます心が揺らいでいくアン・ランの気持ちの描き方がとても良かったです。
わがままだったズーハンも姉の事を思い、ある行動に出ます。いや〜このシーンはホントに泣けてしまいました。これ以上書くと、もうネタバレバレになるので、ここまでに。
この姉弟の選んだ未来が明るいものであって欲しいと思いました。

エンディングの歌が弟くんの複雑な心情を上手く表していて胸にジーンときました。
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