触れ込みから、ホラーかと思いきや、ヒューマンスリラーみたいな見ごたえのある作品だった。
人間の、人間によるホラーとも言えるか。
最初の、平和な雰囲気からラストシーンまで、ずっと集中出来て、お金払って観て良かったと思える作品だった。
人間の行いや人間の過去が、恐怖を生み出す生々しさは見ていて本当に怖かった。
また、一見平和の象徴のようなマイホームを舞台にしたはスリラー、ポン・ジュノ監督の『パラサイト』のようだった。齊藤工監督はポン・ジュノ監督を敬愛しているので、少し意識したのかな?
そして、窪塚さんの役どころが良かった。
窪塚さん演じる兄や、子供たちの視線から「何かが見える」と言うのは、決してホラー的な意味合いでなく、現実の延長線上に起こりうる事がわかる、ということか。
窪田正孝氏演じる清沢賢ニはきっと「見えてなかった」のだろうな。
齊藤工監督作品って、いつも奇抜な雰囲気のある作品が多かったが、今作は原作が基となってるからか、しっかりとした2時間映画を作った印象。