全体的にチープで間の抜けたテンポ感が作品によく合う。初期の矢口史靖を思い出す。
さかなくん=のんは、唯一無二のキャスティング。ミー坊はじめ、出てくるのはみないい人。ミー坊の周りの人は、協調性がなく浮いているミー坊のことをどこか小馬鹿にしている。けれどミー坊と関わるにつれ、サカナのことだけに夢中で生きているミー坊に、深い尊敬と少しの嫉妬(これが大事)を抱くようになる。それは、観客の視点とシンクロする。
誰しもが、とことん一直線な生き方ができることに憧れつつ、それを分かっててもできない。「桐島」のイケメン東出くんは、ホラーおたくの神木隆之介に勝てなかった。「シティ・オブ・ゴッド」と、壮絶なスラム街で最後まで生き残れたのは、カメラオタクの主人公だった。
……結局、見下していたつもりの相手でも、人生夢中になれてるヤツが最強なのね( ͡° ͜ʖ ͡°)
隣で家族が「さかなくんて発達障害なのかな」と感想。障がい者というか、むしろ人生においては圧倒的勝ち組かもよ?