Aix

夢のAixのレビュー・感想・評価

(1990年製作の映画)
3.7
スピルバーグ制作、スコセッシ出演、黒澤明が監督したオムニバス映画。黒澤明が見た8つの夢の話。

素晴らしい撮影が際立った作品でした。大半のエピソードは映像が美しく、迫力があって良かったです。ただまあスピルバーグが制作したからか、音楽があざといし、子役の演技も少し微妙でした。でもそれ以上にこの映画の評価を下げた要素は、会話のやり取りと無駄に強いメッセージ性だった気がします。夢から出来た話なのにも関わらず全体的に説教臭く、キャラクターの掛け合いが地に足つき過ぎていました。ぶっちゃけ夢なんだから会話とかストーリー及び脚本、編集は破綻してて良いです。メッセージ性が悪いというよりは、夢そのものが誇張されて描かれているように見えたのが問題なのかもしれません。そういった意味ではタルコフスキー、フェリーニ、リンチ、ズラウスキー、ビーガン、アピチャッポンウィーラセタクンとかの方が黒澤明よりも夢の物語を作るのが上手いなと思いました。

個人的に8つのエピソードの中では最初の日照り雨が一番好きです。ポスターになってるだけあって画が綺麗だし、話自体もおとぎ話的で8つの中で最も夢っぽい感じがしました。
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