さく

夢のさくのレビュー・感想・評価

(1990年製作の映画)
3.6
こんな夢をみた

黒澤明監督が実際に見た夢を元にして作られたオムニバス映画であり、「日照り雨」「桃畑」「雪あらし」「トンネル」「鴉」「赤冨士」「鬼哭」「水車のある村」の8つの物語から構成されている。

全ての話に共通していたのは、とにかく画面が綺麗で神秘的だったという点です。「日照り雨」では少年が実際の"狐の嫁入り"に出くわすというお話なのですが、森の中で狐の仮面を被って綺麗な着物に身を包んだ人たちの行進はとにかく美しかったです。そして、キャラクターの動きに統一感があったという点も神秘性を増さしていました。「トンネル」のお話の中にある、戦死した兵隊の幽霊が整列するシーンや、「桃畑」のお話の中の桃の木の精霊の動きがとても良かったです。

しかしどの話も特にオチがあるわけではなく、奇怪で神秘的であることの他にはあまりないので、ハマらないお話は割と退屈でした。
さく

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