豆onpeets

夢の豆onpeetsのレビュー・感想・評価

(1990年製作の映画)
5.0
新春なので「夢」を題材にした作品を、、、。
(オムニバスなので長文です。)


この作品は「こんな夢を見た」から全て始まります。

全8話。

もう、全てが豪華です。
吐いちゃうくらい豪華。
何より環境音が多いのが良い。
なのでセリフは少なめです。



1話『日照り雨』

本当に夢の中の様。メルヘンでもあり怖くもある、おとぎ話みたい。

狐の嫁入りは、晴れているのに雨が降る現象。
雨の音と狐の嫁入りの笛や太鼓の音、そして能のような舞を披露してくれます。
その舞がまた 「狐は嫁入り姿を見られてくない」と言う事から、周りを警戒している様な変わった舞でした。


少年が母に狐の嫁入りを見ると悪いことが起こると言われたのに見に行ってしまいます。
そして家に帰ると母に
「お前は狐の嫁入りを見てしまったんだね!そんな子は家に入れられません!狐に謝ってきなさい!」と短刀を渡され腹を切る覚悟で謝らねばなりません。と追い出される。
「家なんてわからない!」
「こんな晴れている日には、、虹の下に、、」
と言われ、
虹や花畑が咲き誇る大きな草原を少年は歩き始めます。



2話【桃畑】
クラシックコンサート見ているのかと思った。情緒がすごい。

姉のひな祭り中、団子が一つ多い。少年は不思議に思っていると外に同い年くらいの少女がいた。
追いかけると、雛人形の様な人々が桃の段々畑にいる。
桃の木を切ってしまった家にはいられない、、。と少年を責めるが、少年の一言で雛人形の様な人達は少年に優しさを示し、段々畑で舞を披露する。
そして、その人々が去った後には小さな桃の木が咲いていた。



3話【雪あらし】
良い声の俳優さんが多いから耳が嬉しい。
何より映像が幻想的で正月から心おどる。

聞こえるのは息遣いと鉄の杖の音。猛吹雪で前が見えない。
アタックキャンプが見えず吹雪は3日続いている。
チームに疲労が現れ意識が朦朧とすると、美しい女性の姿が。
その女性は、

雪は暖かい、、、 氷は熱い、、、 

と呟くと蜘蛛の巣のような布で男性を覆っていく。
しかし、男性が意識を取り戻すと女性は布の様になり空に消えていった。


4話【トンネル】
ホラーテイストで不気味が心地良い。
寺尾聰さんの悲しそうな表情や演技の間合いが涙をそそる。
こんなに哀しい「前へ進め」があるとは、、、。

兵隊がトンネルを歩いていると唸るような犬の声が、そしてその先には、顔が青い兵士がいた。
その兵士は「銃隊長どの、私は本当に死んだのでしょうか?」
それに応えるように「野口一等兵お前は死んだんだ、、。」と返答をする。
野口がトンネルに戻っていくと今度は小隊がやってきて「第3小隊、ただいま帰りました!勢員、以上なし!」と言うが、隊長は彼らが彷徨う虚しさ、自らは生きながらえた辛さを語る。



5話【カラス】
マーティンスコセッシさんのゴッホはふくよかでかわいい。

一人の男性はゴッホの絵を見ていた。しかし気づくと彼はゴッホと同じ世界で、ゴッホの隣で、ゴッホの話を聞いて彼の後を追っていた。



6話【赤富士】
昔からやはり心配されていた、、、。原発、放射能、、。安全、問題はない。
しかし、これは夢じゃなくて現実で起こってしまう。
現代では「こんな夢を見た」が皮肉にしかならない。

富士山が爆発している。
しかしそれは原子力発電所が爆発したとの事、そして人々は海の底に沈んだ。
赤い煙が迫ってくる。男は子供を抱える母親から赤い煙を追い払うように上着を振り回すしかなかった。




7話【鬼哭・きこく】
いかりや長介さん!おに!赤い!黒くない!
昔の漫画の様なストーリー。藤子不二雄、手塚治虫の様な。
最近、藤子不二雄SF短編集の全巻が欲しい豆です。値段が高いけど欲しい‼︎


男が一人歩いていると鬼と遭遇する。
鬼は、ここは昔綺麗な花畑だったと言う、
水爆やミサイルが砂漠にしてしまった。
しかし死の灰が積もった土地から最近不思議な花が生えてきたと言う。
それは巨大なタンポポであり、人間も苦しみ死ぬこともできない、鬼と化してしまった。
鬼は男に「帰れ!」と言うが男は景色に見入ってしまっていた。そんな男に鬼は「オニに、、。ナリタイのかッッ!!」
と襲ってくる。男は崖を滑り落ちる様に逃げるしかなかった。



8話【水車のある村】
メッセージ性も強くなっているが、ぐうの根もでない。
現代人との認識の違いを見せつけられる。
103歳のおじいが
「生きているのは辛いと言うけれどそれは気取りで、生きることは楽しい。」っていうの
希望が持てる。

自然と生きている人々にとっては、人が死ぬのは喜ばしいこと。良い人生を全うして年齢の順で死んで行く。
そのため、葬式も盛大にあげる。そんな盛大な葬式を最後の回で見て、なんだか大円団でした。




オムニバス形式なので、少年期、青年期、中年期、老年期、、、そんな誰かの人生を歩んだかの様な作品でした。


さてさて、
みんな初夢は見れましたでしょうか?

豆はめでたい夢がまだ見れていないので、寝るときにお正月音楽でも流そうと思います。


今年も皆様にとって良い年となりますよう。


ではでは〜👋
豆onpeets

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