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線は、僕を描くのSUNのレビュー・感想・評価

線は、僕を描く(2022年製作の映画)
4.0
《2022年 劇場25本目》
水墨画の世界の美しさを存分に感じる一作。
恥ずかしながら縁のなかった水墨画。
その魅力に本作を見て一気に引き込まれた。
筆だけで描かれるその水墨画は、色のない世界にも関わらず、墨の濃淡で見事に画が表現される。

本作は水墨画の細かく繊細な作品が、あっという間に描かれてしまう疾走感とそのBGM、そしてワンシーンワンシーンどこを切り取っても美しさを覚えてしまうところが素晴らしい。
そして霜介が水墨画と出会い変わっていく、その姿がまさに青春そのものを表しているよう。

高校生の学園モノのようにキラキラしたものではない。しかしただ夢中になれる、自分が心からやりたいと思える事に打ち込めるその姿に青春を感じる。そんな霜介の心の変化を感じさせてくれる横浜流星さんの演技はさすがすぎる。

そして映画そのものの美しさを際立たせているのは篠田千瑛演じる清原果耶さん。和服姿も筆を扱う所作も似合いすぎている。

本当に美しい日本文化をこの映画のおかげで知り体感する事ができた。

ぜひ水墨画の展覧会に行ってみたいと思った。

【2022年 鑑賞84本目】
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