前作からの続きで、さらに梅安の過去に触れる内容。対して彦次郎は、前作ポストクレジットシーンに少し肉付けが加えられた程度。
どちらも人間性に触れる内容で良かったけれど、全体にはどうも盛り上がりに欠ける。原作通りといえばそれまでだが、回想シーンの雨垂れに映るとかの古臭くて陳腐な手法など、ちょっと観てられなかった。
最初のクライマックスに当たる井坂惣市戦も、あまりにあっさり。前作から引っ張ってる仇役なのだし、せめて吊るすシーンに、もう少し彦次郎の恨みのたけが込められていれば。
その後の半十郎乱入も、テレビの時代劇の域を出ないチャンバラで残念。
全体的に泥臭さが足りない様に思う。浪人と町人の仕掛人同士の対決なのだから、スマートさは不要。もっとお互いのプライドを賭けた、血みどろの戦いが見たかった。だいたい、仕掛人といえば、テレビ版でさえ新しさを求めて生まれた物なのだから、もっと斬新な見せ方に挑戦して欲しかった。
こちとら、テレビの時代劇の長尺が観たくて木戸銭払ってるんじゃないんだよ、と。
登場は僅かながら、相変わらず高畑淳子の快演が光る。出て来ただけでなんかホッとした。
