このレビューはネタバレを含みます
ハワイに向けて飛び立った飛行機内でバイオテロが起こり、ウイルスの脅威に立ち向かう乗客と、何とか飛行機を着陸させようと手を尽くす政府と警察の話。
あー、めっちゃ面白い。こういう大作が素直に面白くてのめり込める韓国映画羨ましい。最初のテロ発生発覚まではホラー演出みたいな感じでじわじわと怖さを煽って、発覚後は次々に起こる危機をテンポよく見せて、最後はしっかり観客の涙を誘う。こういうお手本のような映画をしっかり面白く作るのってもはや日本ではアニメ以外不可能ではと悲しくなる。
娯楽映画でも恐怖を煽る必要があるところは、ちゃんと怖いのが特に良かった。私は最初の方の、犯人の家で刑事が遺体を見つけるシーンすっごくゾワゾワして好き。じっくり探して、いない、いない、あっさり画面に映り込んであんまり怖くない？と思って、フォーカスが合うとめっちゃ怖い。見せ方綺麗やねぇ（笑）他にも後遺症のところとか、感染した人の死に際とかしっかりエグいのも◎。
ハラハラドキドキも、一難去ってまた一難が数分ごとに繰り返されてずっと楽しい。さらに、機体が揺れて中の乗客が激しく苦しむ描写、今回音も画面も特別なの(IMAXとかDOLBYとか)で見てないけど、映画館の席が飛行機の席と似てて一緒に乗ってる感覚になったし、機内に菌が充満してくとことか息苦しいここから出して〜って気分になったし。映画館って広い画面で迫力を楽しむだけじゃなくて閉塞感も味わえるんだよねぇ。
日本が飛行機を受け入れず航空自衛隊まで投入する件については、世界で唯一の平和憲法の国で民間人乗ってる飛行機を攻撃しようとするなよ〜！！と思ったけど、あの自衛隊が出動するぐらいの非常事態と思えばその後の韓国内での意見の二分に説得力が増してることは確か。それに、簡単に日本の自衛隊を出撃させられるなんて他国じゃないとできない描写でなんか清々しかった（笑）
あと、ソン・ガンホが自分にウイルス打ってワクチンの効果を身を張って証明するくだり、ワクチン効いたのもはやソン・ガンホパワーのおかげでしかないように見えたけど、最後にちゃんと重い現実があったからそこもしっかりしてるんよな。ツッコミ入れたくなるとこを案外納得させてくる。
