たらお

ザリガニの鳴くところのたらおのネタバレレビュー・内容・結末

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

原作読了済み。
湿地帯で育ち、湿地帯を愛したカイア。そんな彼女の生涯を描いた一作。
湿地の娘と蔑まれ、裏切られ、傷つけられ、踏みにじられてきたカイア。
そんな彼女の境遇を思うと辛いところが多々ありますが、彼女を支えてくれた人達と彼女の教師・母親代わりとなった湿地の自然達が救いでした。
動物の生態系や自然美にはとにかく魅了されましたよ。
闘い、生き抜いて幸せを掴み取ったカイアのあの笑顔を見られて本当に良かった。

ミステリーなので謎を追う裁判パートが肝になっていますが、回想を交えて少しずつ事が明らかになっていく構成は面白いですよね。
時系列がわかりやすく整理されていたのは助かりました。原作だと飛び飛びでしたので……
キャスト陣はイメージ通りで安心しました。
弁護士とジャンピン夫妻は特に。
テイト、チェイスといったカイアの前に現れては心を揺さぶってくる、愛を与えてくれる男性らも良かったです。
チェイスがペンダントを最後まで外さずにいたのには本心を想うと苦い思いがしますね。

気になった点はちょっとだけ。
まず、家族がいなくなってカイア1人になるまでの過程が大変サクサク進行していたのが気になりました。
7つ上でカイアのことを守ってくれていたジョディとのエピソードはカットしなくても良かったのでは……?

次にカイアの住んでいる小屋、普通に綺麗ですね。
バラック小屋みたいなの想像していたので全然住めるじゃん! って思いました。

あと原作読んでないとカイアがどうやって生き抜いてきたか、如何に虐げられてきたのかを伝えるのが弱い気がしなくもない。
細かいことですけど気になったのはこのくらいかな。

でもラストシーンは余計な改変等なくて良かったです。
もし改変されてたらキレ散らかすつもりでしたもん。
母の幻影を見るところはナイスな演出でしたね。
あの瞬間、カイアは少女に戻って一番求めていた母の愛をその手に感じられたのですから……
是非、最後まで観てザリガニの鳴くところの意味を知ってもらいたいです。
たらお

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