まるみ

ザリガニの鳴くところのまるみのレビュー・感想・評価

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
3.3
両親にも兄妹にも捨てられ、木々生い茂る湿地で1人暮らすことになった少女。
生きる術は全て湿地で学んだ。
湿地の外(街)はとても冷たい。蔑みと嘲りの視線や言葉。幼い少女にはどれだけ恥ずかしく悔しく辛かったことだろう。
ひきこもりならぬ湿地こもりの完成。
その中でも彼女を気にかける温かい人たちがいたこと、彼女が元々頭が良かったことが幸いして成長し、孤独でないことがどれだけ幸せか感じる機会も得る。また孤独がどれだけ悲しく怖いことも…

湿地が美しく、〝世捨て人〟な暮らしは憧れるものの、全体を見渡した場面は壮大すぎて、よく生きてこれたなとカイアの生存本能素晴らし過ぎる。
私ならグループホーム?すぐ行きます!ってなっていたかも。

それでも湿地の美しさ、生物の神秘、自身のルーツとなる場所からカイアは離れたくない。
外は怖い。自分を傷つける場所。そう思うと出られないよね。
「私が嫌ったんじゃない。みんなが嫌ってきたんだ。」という台詞が彼女がどれだけ傷ついてきたか物語っている。

彼女の生い立ちが辛いもので、周りの人の反応も基本的に冷たいし(子どもが1人なのに無関心ってどういうこと!?)、暗い話だったけど、食い入るように終わりまで見ることができた。

弁護士おじいちゃん有能で良い人で素敵すぎたし、
ジャンピンおじさん夫婦も良い人
気にかけた福祉局の人も良い人
編集者の人も良い人
………あれ?カイアに良い人だったの少なすぎ!?
※男女仲になった人間除く
酷だわー

小説は未読なので、読んでみたいと思いました。
まるみ

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