土偶

ザリガニの鳴くところの土偶のレビュー・感想・評価

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)
4.2
こんな小綺麗な野生児がおるか!?
アマプラのもうすぐ配信が終わるリストにあったので観た。
想像してたジャンルの映画とは全く違ってたけど面白かった。
レイチェル,カーソンの『センス・オブ・ワンダー』を彷彿とさせる。
子供の頃から海山川で遊ぶのが大好きで琵琶湖に通いつめていた淡水魚好きの私から見て天国のようなところだな。
日本語訳は「湿地」といよりは「湿原」の方が良いように思う。
人は自分の知らない世界を見せてくれる人に恋をし、自分の知らない未来を見せてくれる人を好きになる。
という原則があるように思うけど、「文字」という世界と、「作家」という未来を見せてくれたあんちゃんは恋の相手にも好きになる相手にもふさわしかったな。
しかし主人公はただ彼に恋をして好きになるだけでない。外敵を排除して自分の母が逃れられなかった運命を見事に逃れたし、自立をも勝ち取った。
そしてそれらは全て自然が教えてくれたことだった。 彼女は孤立しているように見えながらも完全に世界に適応して生き延びた。
人間の世界は弱肉強食の原理で動いているかもしれないけど、「ザリガニが鳴くところ」といわれるほどの自然の奥地は適者生存の原則で動いているのだ。
多分この映画はずっと印象に残り続けるような気がする。
最後の方の文を引用しておこう。
「The marsh knows all about death and doesn’t necessarily define it as tragedy. Certainly not a sin. It understands that every creature does what it must to survive. And that sometimes for prey to live its predator must die.」
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