土偶さんの映画レビュー・感想・評価

土偶

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ダ・ヴィンチは誰に微笑む(2021年製作の映画)

3.2

職場の友人にやたらと勧められて観た。
オークションで史上最高額で落札された、現在まで見つかっていなかったダヴィンチ作とされる「サルバトール・ムンディ」の真偽とそれにかかわる人々に関するドキュメンタリー
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.8

純粋な優しさと絶望と愛と疎外感と自己嫌悪と正直さが混ざり合っているような主人公を見ていて胸が締め付けられるようだった。この感覚はサリンジャーの小説を読んでいるときのような感じだ。
子供相手に必死に謝り
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流転の地球/さまよえる地球(2019年製作の映画)

3.4

三体の著者の短編が原作ということで友人に観せてもらった。
とにかくスケールはでかかったがやたらと叫んでた。原作はこんなんちゃうねんやろなーと思いつ図書館で原作を予約した。

ロブスター(2015年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

ディストピアなのか??サイバーパンクなのか?と思って観たがまぁディストピアだったがサイバーパンクではなくアートな感じだった。
恋愛至上主義が夕暮れ、独身至上主義者達を狩る。
共通項がないと恋愛の前提に
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ゴジラ(1954年製作の映画)

3.7

ゴジラ-1.0が残念だったのでオリジナルを観直した。
以前いつ見たか全く思い出せない上に内容も全く覚えていなかったが素晴らしかった。
その可愛らしくも恐ろしい造形だけでなく、古来からの神であり災厄であ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.2

前半一時間くらいこのシリアスパートいる?ゴジラだけ出しておけばええんちゃう?と思いながら見ていた。
なんかこうわざとらしいというか何というか。そこまで大げさに演技しなくてもよくない?学芸会感丸出し感で
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プロトタイプA 人工生命体の逆襲(2020年製作の映画)

3.5

な~んとなく地雷臭がしたけどAIモノなので意を決してみたら予想に反して普通に面白かった。
自らの実存を問うアンドロイドの物語だったが、アンドロイドものにありがちな変に知的て理屈っぽかったり達観してたり
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.2

こんな小綺麗な野生児がおるか!?
アマプラのもうすぐ配信が終わるリストにあったので観た。
想像してたジャンルの映画とは全く違ってたけど面白かった。
レイチェル,カーソンの『センス・オブ・ワンダー』を彷
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竹山ひとり旅(1977年製作の映画)

3.4

「津軽のカマリ」を見た後に見たせいもあるけど竹山のボサマとして生きる生活が楽しげでぬる過ぎるように感じた。
隙があればどんな場面にでも面白おかしいコメディータッチの演出を入れようとする日本映画の弊害か
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津軽のカマリ(2018年製作の映画)

4.7

昔々、私は高橋竹山のCDをひたすら聞いていた時期があった。彼の弾く三味線は当時色々と大変で荒んでいた私の心の深いところに届き、私は生き抜く事が出来たのだ。
思い入れの強すぎる題材に関する映画は微妙なこ
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エンバー 失われた光の物語(2008年製作の映画)

2.2

フォールアウトと同じジャンルとしてアマプラさんに勧められ、評価も良かったしストーリーも面白そうだし見たけどダメだった。
オープニングを見た瞬間にこれはダメな奴だと確信したけど全くその通り最初から最後ま
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.6

私が敬意を抱いている人が面白かったと言っていたので見た。
想像していたのと全然違っていたけどいい映画だった。
人生色々、人も色々、自然も色々。そして圧倒的アメリカ感。
本当に大切な人との死別を体験し
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ザ・プレデター(2018年製作の映画)

3.4

プレデター好きなので観た。
プレデターvsホーム・アローンになるのか??と思ってたら、プレデターVS特攻野郎Aチームになった。
あまりプレデターは活躍せず。うーん。

恋する惑星(1994年製作の映画)

3.3

ずっとタイトルが良いなと思っていたけどやっと見た。原題と全然ちゃうやん!
VRゲームを数時間した後にやや酔い気味で観たらブレブレの映像で本気で気分が悪くなったので2日に分けて観た。
30年前の映画やけ
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新幹線大爆破(1975年製作の映画)

3.6

やっと観れた。
長かったけど面白かった。高度経済成長時代から「無敵の人」問題はあるんだなと。
「ジョーカー」とか見てても思うけど、世間では「誰も取り残さない社会」とか言われてる割に全然対策してないやな
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ハーモニー(2015年製作の映画)

4.5

原作も素晴らしかったが映像化されたこれも非の打ち所がないほど素晴らしかった。 原作にあった「小説」というメディアでだからこそできた構造的な「仕掛け」も映像メディアでビジュアル的に再現されておりいい感>>続きを読む

屍者の帝国(2015年製作の映画)

3.2

これも円盤を借りて観た。ありがたや。
原作を読む前に観たけど大丈夫かな?
伊藤計劃テイストは端々に感じるが、何というかこう問題定義や問いかけや苦悩が少ないといういうか、やっぱりどこか違うような気がする
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虐殺器官(2015年製作の映画)

3.9

うら若き乙女に円盤を借りて観た。ありがたや。
この物語の原作は今よりも発達した社会を描くことでジェノサイドや監視社会や富の分配や人間の暴力性などの社会的な問題を描くだけでなく、主人公がテクノロジーの発
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.4

古典sfの映画化。デヴィッド・リンチ版は昔に見た。
とても良く出来ててとにかく壮大なのはわかる。しかし何かこうグッと来るものがあまりない。何というか個人性に寄り添っていない感じ。
まぁ続編は見るけど。

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.1

面白かったと聞いて観た。
どことなく大好きな「グッバイ・レーニン」に手触りが似ているような気がする。
イマジナリーフレンドのアドルフは日常的に話し相手になり励まし力付けてはくれるけど、手投げ弾が足元で
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さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)

4.5

私の知る限り、この映画を知るすべての人が素晴らしい素晴らしいというのでどんだけ素晴らしのかと思って観たらとてつもなく素晴らしかった。
ありとあらゆる相反するものの混じり合う美がじわじわくる。
これはそ
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セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992年製作の映画)

4.0

昨日この映画の話をしたので感想を書いておこう。
昔々まだ私が高校生だった頃、思いっきり背伸びしたかった私はよく「親友」と言ってもいい友人と夜中の2時3時4時まで街中で遊んだものじゃ。
二人して夜中の街
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円空 今に生きる(2019年製作の映画)

3.0

うーーん。色々語りすぎて鼻につく感じ。とにかく円空仏と円空本人の話だけを客観的に描けば良いのになと思う。
小物が綺麗過ぎるとか、彫り方に力強さが感じられないとか色々あるが寸劇はいらん。

ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

3.3

シリーズ消化完了。タイムマシンがあれば続編いくらでも作れますな。

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

3.3

これにてエイリアンシリーズ消化完了した。
前作の「プロメテウス」は全く覚えていない状態で見たけど特に問題はなかったぽい。
面白くなくはないけど個性はあまりなく訴えかけてくるものはあまりなかった。

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ずっと見たかったのだかいつの間にかアマプラに入っていて喜んで観た。
大体想像した通りの筋書きの想像したようなラストだが、まぁこのへんはこの系統の映画の様式美みたいなものだ。
ミーガンさんはチャッキーほ
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さかなのこ(2022年製作の映画)

4.3

私はさかなクンが好きだ。彼の足元にも及ばないながらもかなりの魚好きで地味な淡水魚好きであると自認している私から言わせてもらえば、それほど魚に興味のない人、例えばトウヨシノボリとヌマチチブを一見して判別>>続きを読む

ロスト・エモーション(2015年製作の映画)

4.0

「感情」が疾患として扱われる世界で感情を「発症」するふたりの物語だ。
設定は「リベリオン」だが笑えるアクションもガン=カタもない。
特殊な環境であればあるほどふたりのピュアさが際立って美しく感じられる
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楽聖ベートーヴェン(1936年製作の映画)

4.1

私はベートヴェンが好きだ。どれくらい好きかというとウィーンまで墓参りに行ったくらい好きなのだ。
この映画は大好きなベートーヴェンの中年からその生涯の最後までを描いたものである。
思い入れの強い題材の映
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バタリオン ロシア婦人決死隊VSドイツ軍(2015年製作の映画)

3.3

革命後の混乱真っ只中のロシアで第一次世界大戦でドイツ軍に対峙する兵士の士気が著しく低下する中、軍部は志願による女性のみで構成された部隊「バタリオン」を創設して前線に送り込むことを決定する。
戦う気のな
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トータル・リコール(2012年製作の映画)

3.6

フィリップ・K・ディック原作のディストピアでサイバーパンクな世界のお話。
ひたすらアクションが続くけど、自我の根源である「記憶」の統一性を揺さぶることで人間存在を問う側面は…なかった…
全体として旧シ
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ロシアン・スナイパー(2015年製作の映画)

3.5

帝政ロシアのキーウ近郊に生まれ、ソ連軍の狙撃手となり女性狙撃手史上最高の確認戦果309名射殺という戦績を挙げたソ連の英雄リュドミラ・パヴリチェンコの伝記的映画である。
フィンランドの妖精「シモ・ヘイヘ
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プロメテウス(2012年製作の映画)

3.4

エイリアンシリーズのエピソード0的な時系列の映画である。
もっとアホ映画的なのを期待してたけど、なんか真面目に作ってて設定も壮大だけどそこがどこかチープな感じ。
「汚物は消毒だー!!」とつよつよだった
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

3.6

アマプラの「30日以内に配信が終了するリスト」にあるのを見て、15年ほど前に見てとても面白かったのを思い出しまた観たくなった。
映画的美男美女が出てくるわけでも、映画的エンタメがあるわけでもないけど、
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

3.5

現在同じ水俣病をテーマにした本『苦海浄土』を読んでいて、もう読むのが辛くて辛くてこの映画でええかということで見た。
水俣病を扱ったテーマと報道写真家を主人公にした視点は良かったけど、ただひたすら大企業
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