シオ

ロストケアのシオのレビュー・感想・評価

ロストケア(2023年製作の映画)
4.0
観てきました。
この映画、沢山の人に見てほしい。
見たいものだけ見て、見たくないものから目を逸らしてるなって…心抉られた。
難しい問題だけどね…だからこそ全国民が考えなきゃいけない問題なんじゃないかなと。

私は完全に安全地帯にいた人間。
大友検事が最後に自分のことを話すシーン…かなり刺さりました。

私も母親が長年の介護の末に亡くなり、父親が一人暮らしなので、もし父親がそうなったらって思うと怖い、てか自分の老後も怖い…綾戸さんが演じられた老婦人は未来の自分かもしれない…怖い。

生きる権利があるなら最期をどのように終わらせるかを選択する権利も欲しい。
斯波さんがしたことを全て否定できる人ってどれだけいる?そんな人いたら私は“偽善者”って目で見ると思う。
私は斯波さんは必要悪だって思いました。命を奪う=絶対悪だとは思うけどその時の関係者や周囲の状態を含めて観察して考えたら“絶対”ってないなと思いました。

法廷で喚いた遺族、私は彼女は斯波さんがやってなかったら彼女がやるか、もしくは心中するかだったんじゃないかなって思いました。糸が切れる寸前だったじゃん…わからないけどね、ないとは言い切れないし、でもそれと同時に他人が勝手に決めつけて家族を奪って良いわけがないとも思った。

いろんなシーンで涙が溢れる映画でした。

出演者の演技がとても素晴らしいので一層引き込まれました。松山さん、長澤さん、柄本さんが特に良かった。
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