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ロストケアのfkrのネタバレレビュー・内容・結末

ロストケア(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

@Amazonプライム 感情吐露しないと気が済まない邦画の一つ。 それは本当に気づかない程度にズームしていくカットだったり、介護センター3人が序盤に訪問するお宅で、峯村リエが散らかった部屋を見るカットをわざわざ別に挟みこむ所でだいたい予想できる作りではあったが、それでも中盤くらいまでは話運びの行方に一定の興味があったので見ていた。 登場人物達の会話は、過去へ向かうことが多いので画面は止まるし、松山ケンイチの話す口調に代表されるように、皆どこか演技じみている。それでも柄本明の演技は演出から割と逸脱している。公園のブランコに座ってて松山ケンイチに声をかけられた時のさりげなく振り向く様子が良い。 どこまで逆算しているのか、松山ケンイチが父に注射する際に馬乗りになる所が気になった。父の片腕が曲がって硬直(半身不随かな?)しているため、寝ているベッドの奥側の手に打つために身体の上をまたがる。この後、抱きかかえるような姿勢で涙する松山ケンイチ→さらに抱きしめる際に手を潜り込ませたことで枕元から折り鶴を見つける描写へと続けている。ベッドの位置や、反対向きに寝方を変えるわけでもない(もっと言えば硬直する手をもう一方に変えれば済む)ので、この1カットの過程を意図していることは伝わるし、良いシーンだと思う。
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