セージ

映画刀剣乱舞-黎明-のセージのレビュー・感想・評価

映画刀剣乱舞-黎明-(2023年製作の映画)
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刀剣男士とは物である。
付喪神。長い年月、人に触れ、想いに触れ、振るわれ応えてきた刀に宿った力の具現。彼らは主に仕える刀として、意思を持ち歴史を守る使命を持つ。

今回の敵は呪いだった。
千年先の明日を呪う怨念が物に宿り、呪物となった。平安の時代、ある一族が精一杯生きようとしても為政者に明日を奪われ、誰の記憶にも残らず、存在を消され、想いが途絶える理不尽を呪った。

この映画の現代には博物館に飾られ賛美される刀と、本来ならば途絶えたはずの強い呪物が存在する。同じく人の想いが、まったく違う力を発揮することで物語は進む……。

「歴史を守る」ことを役割とする刀剣男士に主人公が弱者を切り捨てるのかと問うシーンや、幸せを象徴するはずのボールに描かれた笑顔が鬼や人の想いを抜くアイコンとして使われることが何だか重くて良かった。

主人公であるところのJK審神者は演技も素晴らしく、三日月との掛け合いも自然で驚いた。伊吹に対する「あなたの心の中の弟、自分自身に耳を傾けて」のようなセリフは、客観的事実や関係性ではなく自らの内心が重要であること。つまり歴史や他者からの観測よりも自らの経験や感情、思考こそが重要であると言っているようで、歴史に見捨てられることへの彼女なりの答えになっているのかなと。

と、ざっくりまとめると良いシナリオだな!!
セージ

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