春紫苑

デジタルデトックス 大停電の夜にの春紫苑のレビュー・感想・評価

4.0
いっそ、ネットを(特にコミュニケーションにおいて)放棄したい!
思春期に入った95、6年頃のように、ガラケーすらないアナログな暮らしがしたい!
…と思うことが多くなってきた今日このごろなので、デジタルデトックスを題材にした本作は、果たしてどんなものか観てみた。
主人公夫婦よりむしろ、サブキャラたちの言葉で、ふと、玉置浩二の“メロディー”が浮かんだ。
あの頃はなにもなくてそれだって楽しくやったよという歌詞が、まさにピッタリ…と言っても、“メロディー”の時代はまだ、ネットやってる人のほうがマイノリティだったけど。
悪役に見えた人も、本当はそうじゃなかったというあったかいお話。
特にタウニーさん。かつて友達だった店子たちがアパートを出ていった途端、付き合いも途絶えるなら、最初から親しくならなければ淋しくないという、転校の多い子供の気持ちを、大人になってから味わっているせつなさ。
娯楽映画は深くなきゃいけないわけでもないし、ラブコメの割に下ネタが一切ないところも好き。
ボードゲーム、サイクリング、ピクニック…と、夫婦がティーンのような可愛いデートをするのもいい。
なんかこう…友達と遊んでても、お店の待ち時間に即スマホを取り出し、テーブルにもずっとスマホを置いて、頻繁にチェックする人が時々いる。
正直、そういう人とはもう遊びたくない。
目の前の生身の人間よりSNSが大事なら、こっちの貴重な時間割いて会う必要ないし、ずっと一人でスマホ弄ってたら?と思ってしまうわ。
自分がSNSで人と繋がることに意義を感じないから、余計にかな。
因みに、劇中で、大真面目にカツラをカミングアウトするシーンには笑ってしまったけど、予想外な素敵ハゲで、しかも、まさかあれがヒロインにとって大きな気付きになるとはねー!
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