さききち

恋する惑星 4Kレストア版のさききちのレビュー・感想・評価

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)
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2023年36本目

特異かつ至極の失恋映画

「失恋すると、僕はジョギングをする。体の水分を蒸発させ涙が出ないようにするためだ」

序盤、この台詞で文字通り、電撃が走った。もっと若い時に観ていたら、今日ようやく観れたこの映画に、確実に何度も救われていただろう。ぼんやりエンタメ的に観るとわけわかんないし、2部のヒロイン?には引いちゃう。ただ、1部・2部ともに、男性側にフォーカスすると、失恋した時の「時間が解決する」なんて誰でも言える他人事じゃなくて、個人ごとの「勝手な自分なりの痛みへの向き合い方」「過ごし方」が描かれていて、いい意味で「(うわぁっ)」と思った。

観てる途中は全然ピンと来ないままエンディングを迎えたんだけど、反芻して何度も今「うわぁっ」ってなってる。
この状態でもう一度観たい。

1部の金城武のエピソードが、画・色調の綺麗さ、語り口や台詞でグッと来る。2部はヒヤヒヤしながら観るから体感時間は短いけれど、(ネタバレコメント欄)のことがあるから、手放しでは賞賛できないかな。

余談
1部を観て、堤幸彦ってウォン・カーウァイが好きなんだろうなぁと今更ながら思った。
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