大道幸之丞

東京2020オリンピック SIDE:Bの大道幸之丞のネタバレレビュー・内容・結末

東京2020オリンピック SIDE:B(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

SIDE:Aと対になる本作は五輪開催の舞台裏を描く。
実はIOCに開催希望を出し選出されたのであれば、開催国の総理でさえ中止の権限はない

それでも政府・国家が検討の上で最終決定をすべき東京五輪はリベラル勢力がネット世論を扇動しに妨害を強める。結果的に政府は無観客開催を決める。

バッハ会長が来日するや「開催するな」「バッハは帰れ」のプラカードを掲げて騒ぐアクティビスト達。広島へ祈念に向かうバッハ氏へもプラカードを掲げた活動家達ががなりたてる——日本はこんな失礼な国家だったのだろうか?

トラブルは続く。会長である森喜朗氏が失言から辞任。橋本聖子氏へスイッチ。同時に委員も女性の人数を増員しバランスをとる。

本当に開催するのか否か判然としないまま不安を抱え国立競技場のセッテイングリハを繰り返すクルーたち。選手たちの食事を神経を尖らせ準備に余念のない選手村の配膳責任者達。

南スーダンの母国が内戦中のために候補選手を預かり五輪開催までトレーニング施設を提供する前橋市、しかし残念ながら五輪の出場基準を満たせず出場が叶わなかった無念を感じる選手もいる。

開会式当日にも横断幕を掲げ「開催反対」を叫びながらも開会式の花火にはカメラを向けてしまう相反する行動を見せる反対派日本人の姿もある。

この作品は「自分たちしか見えない」「自分がすべてを理解していると思い上がった者たち」が五輪を潰そうとの蠢動がある。そんな彼らも一般の国民だが、彼らは何に扇動され何をしようと考えていたのか。

——ともかく異常事態が続き、常軌を逸した妨害行為と世論が蔓延していた東京五輪を自戒の念を込めて見つめ直すことが出来る作品だ。