大道幸之丞

ザ・ゲストの大道幸之丞のネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ゲスト(2014年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

5人家族で長男(ケイレブ)がイラク戦争で亡くなった一家に「ケイレブの同僚でした」と尋ねてくる男デヴィッド。
はじめは当惑する母親ローラだが、彼の好意に応えたいと思うようになる。父親もはじめは拒絶も「彼をケイレブと思って」との
ローラの言葉に納得する。

次男のルークはいじめられっ子だが、車での出迎えに母親の代わりに来たデヴィッドはそれに気づき
いじめっ子側を彼ら行きつけのバーで挑発した上で叩きのめす。現役軍人さながらの身のこなしで圧倒した。
帰宅後から簡単に護身術をルークに教える。

長女アナが行くパーティへ母親の促しもありデヴィッドも同伴する、このパーティでは主催者でアナの友人クリスティン
の元カレが押し込んで来るがデヴィッドがいなして追い払う。そして「軍人を目指していた」と語るクレイグに銃の調達を
頼む。

――この辺りまで、物事の解決方法がすべて「暴力」であるデヴィッドに鑑賞者はやや「元軍人ではあるとしても。。。」
と引っ掛かりをもつ。

そしてアナが軍に問い合わせると「火事で死んだ」と聞かされる。そしてデヴィッドの照会があったこと自体が重大機密であると
軍警察が軍力を結集させた上で居場所が判明したとピーターソン家へ向かう。

基本的な護身術を身に着けたルークが茶化してきたクラスメートに反撃し学校側は退学処分を提示する。困惑するローラだが
デヴィッドはルークを「よくやった」と認め、校長へはクラスメートが茶化した言葉が「オカマ野郎」であったことから、
ジェンダー憎悪の問題を看過するのか、全米に知らせるぞと脅迫し、奉仕活動のみの処罰を勝ち取る。

銃を頼んだクレイグに会いに行くが見せられた銃を全部買うと言っておいて、クレイグと商人を撃ち殺す。

ここでクレイグが殺されたところから事態がデヴィッドへの疑念が高まり、軍警察が到着し銃撃戦がはじまる。結局ここから
デヴィッドも尋常ではない反撃を見せ最後まで続くが、結局デヴィッドもケイレブもある特殊部隊で特定ミッションの検体にさせられたが
ケイレブは死にデヴィッドは「ケイレブの家族を守る」をミッションとして逃走していたのだった。

この作品は「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」「サプライズ」のアダム・ウィンガード監督作品だが、彼はホラー的手法の達人なのだろう。今回は
やや引っ掛かるデヴィッドの行動と、一方でイラクで死んだ息子の同僚という、疑う要素の介在しにくい状況の中で、正体に興味が向く。

一方で特殊部隊の何の目的の検体だったのかはあまり掘り下げられない。カーヴァー少佐は「彼は自己を守る事だけにプログラミングされている」と語るので、サイボーグに近いものかもしれない。
まだ21歳と売り出し期間中のマイカ・モンローもカギとなる配役を演じている。

正直見せ場はピーターソン家に軍警察が到着する場面がピークだった。それ以降は「これ、どう決着させるんだ⁉」と大風呂敷を広げた展開に心配になる。
大ヒットする類の作品ではないが「娯楽作品」としてはサイズもいいしまあまあ良かったと思う。

着想は『ハロウィン』と『ターミネーター』らしいので、ある意味「そのまんま」と言える。