セネガルのゴダールと言われたらしいジブリル・ジオップ・マンベティ監督による1973年の長編2作目。
原題『Touki Bouki』はセネガルのウォロフ語で“ハイエナの旅”だそう。
主人公は恋人の二人、牛飼いのモリーと大学生のアンタ。
セネガルの首都ダカール。
フロントに牛の頭蓋骨と角をあしらったバイクを乗り回すモリー。アンタの学生仲間から嫌われ暴行を受けたりしている。
ある日、モリーは金を何とか工面して、船でパリへ向かおうとアンタを誘う。
金持ちのゲイ、チャーリーが暮らす家を訪ねた二人。彼の部屋に誘われたモリーは彼がシャワーの間に衣装や金目のものを盗み出し、パリへの乗船チケットも手に入れる。
スラムのような地域に暮らす2人が、大変身。コンゴのお洒落な男たち「サプール」を思い出させるキメたスーツ姿で港に現れ、大きな客船に乗り込もうとするのだが・・・
牛の屠殺場などエグいシーンとヌーヴェル・ヴァーグ風な？ニュアンスシーン。ジャンプカット、シーンや音楽の反復。
モリーのバイクの何かの印のようなマークの金属のバックレストを握るアンタの手とあえぎ声だけのセックスシーン、バイクを盗む原住民の男…など、プリミティブなアフリカ世界と西洋的アバンギャルドが融合したような不思議な世界。
アンタ役の女優さんが独特の存在感。
繰り返し流れる、Josephine Bakerの「Paris, Paris, Paris」♪も効果的です。
https://youtu.be/NqFqpAAP94A?t=52
モスクワ国際映画祭: Diploma／FIPRESCI（国際映画批評家連盟）賞
BBC: The 100 greatest foreign-language films
