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終わりの鳥のsonozyのレビュー・感想・評価

終わりの鳥(2024年製作の映画)
4.5
クロアチア出身の女性監督Daina O. Pusić(ダイナ・O・プスィッチ)の長編デビュー作。
病に侵され余命わずかな少女チューズデー(Lilly Tuesday Markovich)と母ゾラの「死」をめぐる物語。

チューズデーは、自宅でホスピスの看護師のケアを受けながらベッドで寝たり、車椅子で庭に出たり、静かに過ごしているが、母ゾラはチューズデーに寄り添わず、何やらエキセントリックな行動・態度を重ねている。

そして、チューズデーの前に1羽の鳥が現れる。コンゴウインコ姿で、しゃべって歌う変幻自在なその鳥の名は“Death”。世界の生き物の命の終わりを告げる死神のような存在なのだ。

この“Death”の造形、息づかい、じゃべり方、ラップw...がとてもユニークで、“Death”とチューズデーの関係、“Death”を見たゾラの行動を通して、母娘が、まもなく訪れる“死”を受け入れていくまでの複雑な感情を描き出していく。

“死”への向き合いをこんな風に描けるとは...深く感銘を受けました。
監督の才能に拍手です。
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