イチロヲ

フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)のイチロヲのレビュー・感想・評価

5.0
日本に輸送されてきたフランケンシュタインの怪物の心臓が、放射線の影響により異常発達してしまう。空想怪奇路線と大怪獣路線をミックスさせている、東宝特撮映画。米ベネディクト社資本。

フランケンシュタインの怪物の性格付けが原典通りであり、「存在が許されない者」の悲劇が濃厚になっている。そして、3人の主人公(ニック・アダムス&高島忠夫&水野久美)が、異なる倫理観のもとに衝突するため、神経戦に一喜一憂することができる。

特撮では、生身の身体をもつ巨大怪物が表現されており、日本アルプスの山間部の場面が見応え抜群。怪物が空中に放り投げた大木が山小屋に突き刺さり、人間が大慌てで逃げ惑う。「これぞ特撮だぁ!」と感嘆の声をあげたくなる。

終局では、フランケンシュタインの怪物とバラゴン(スーツアクターは中島春雄)が、フィジカル系のベストバウトを展開。国内版(?)のフィニッシュが「魔性のスリーパーホールド」というところも、燃える闘魂。
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