豚肉丸

100人の子供たちが列車を待っているの豚肉丸のレビュー・感想・評価

4.3
ピノチェト軍事独裁政権下のチリで映画に触れたことない子供達に向けて映画制作のワークショップを行うお話

映画の原初的な体験が思い起こされて面白い。「映画」がどのようにして作られたのかについて映画史を中心に学びながら、体験や創作を通じて実践的に映画を学んでいく様がとても良い。映画に一切触れてこなかったからこそ、現代においてその驚きを体験することが難しくなってしまった馬の疾走や列車の到着の映像が驚きに満ち溢れた物として子供たちが体験しているのが素直に羨ましい。
同時に無邪気な子供達の陰に潜む軍事独裁政権の陰や貧困集落の生活の困難さも描かれており、映画制作ワークショップの様子を撮影することで同時代のチリの雰囲気や子供達の生活を映像に収めているのが凄い。「抵抗」をテーマに選び、無邪気に抵抗運動と警察による弾圧の絵を描く子供たちの姿はこの時代だからこその強烈なものがある。
面白かった!
豚肉丸

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