Kuuta

ミッション:インポッシブルのKuutaのレビュー・感想・評価

3.8
公開当時にローグネイションを見ただけ、くらいのシリーズ弱者なのでとりあえず一作目を見る。

・テレビドラマを飛び出した映画への移行、主役の交代、ある女性を巡る騙し騙されと、今作のテーマが凝縮された冒頭。飛行機で「映画を見る」ことで作戦説明が始まる=見せ場たっぷりのスパイアクションの世界を再現し、演じている、というメタ視点。初めてのプロデュース業に挑み、かつシリーズの主役交代を果たしたトム・クルーズは、ラストに再び「映画を見るか」聞かれる。うんざりした表情を一瞬見せるが、イタズラっぽい笑みとともに目線を上げる。アクション映画に病みつきになり、また次の映画に手を伸ばしてしまう。そんなトムと観客の心情をシンクロさせながら示す、最高の締めだった。

・煙モクモクの青いプラハの夜、多用される主観ショットなど、手数が多くて楽しい。有名な吊り下げシーンは、音を出すのも厳禁な状況のため、無重力の宇宙にいるようだ。中盤にこの縦のアクションを置き、クライマックスは横方向の攻防に変える。サスペンス要素強めのヒッチコックからベッタベタなアクションのキートンまで、映画の歴史を突き抜ける疾走感がある。先日のインディジョーンズなどと違って、列車の上に立つとどれだけ風圧が大変か表現されているのも良かった。

・スパイの騙し合いに上司の嫁との三角関係が絡む。終盤の脳内再現シーン、嫁に罪を被せたくないイーサンハントの思考が歪むことを、映像だけで示す豪快な技。話はかなり入り組んでいて、アジトに普通に帰っていいの?とか、嫁は死んだことになってるから変装しなくていいんだっけ?とか、ちょこちょこ理解が追いつかなかった。とは言えアクションとサスペンスと撮影でずっと引っ張ってくれるので、細かいことわからんけどたのしー!となる。77点。
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