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ミッション:インポッシブルのsyuheiのレビュー・感想・評価

3.5
1996年のブライアン・デ・パルマ監督作品。

極秘スパイ組織IMFのベテラン諜報員ジム・フェルプス(ジョン・ヴォイト)率いるチームは大使館職員によるCIA工作員リスト防諜ミッションに携わるもイーサン・ハント(トム・クルーズ)以外全員が死亡する。裏切り者の疑惑をかけられたハントはリストの買い手マックスと接触し真相を突き止めんとする。

スパイ大作戦の邦題で知られる60〜70年代のTVスパイものをトム・クルーズ主演で映画化、以降人気シリーズとなる第1弾がこれ。フェルプスはTV版の主人公の名前であり、本作でリーダー格がイーサン・ハントに受け継がれるわけだがこのプロットは当初オリジナル番組メンバーから強い反発があったそうな。

デ・パルマ監督作ということで緩急のバランスが取れたアクションサスペンスとなっている。特にCIA最奥のシステムに潜入するくだりは絶対に音を立ててはいけない状況下でトム・クルーズが強い体幹を活かして肉体を駆使しまくるという静と動の面白い組み合わせだ。ジャン・レノも力仕事でがんばってる。

あらためて観ると同シリーズの近作よりもストーリーがちゃんとしている。冷戦が終わり用無しとなったスパイが暗黒面に堕落するとか、そりゃかつてのTV版スタッフには腹立たしいだろう。ミステリー要素も含まれているがストーリーラインが若干複雑で謎解きパートの爽快感に欠けるのもマイナス点かな。

Windows 95が大ヒットし、インターネットの商用利用が世界的に広がり始めたころの作品ということで、随所にレガシーなテクノロジーが登場する。モニタは液晶ではなくCRTだしデータが保存されるディスクは懐かしのMOだしモデムが云々というセリフも。映画の中のIT描写を追っていく研究、面白いかも。

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