YouTubeで無料配信されていたので観る。1998年の黒沢清監督作品。
何者かに娘が惨殺された宮下（香川照之）は復讐を果たすべく犯人を探していた。宮下に手を貸すのは塾で数学教師をしている謎の男・新島（哀川翔）。2人は疑わしき男たちを次々に拉致しては廃工場に監禁し拷問する。真犯人は誰なのか？宮下の復讐は果たされるのか？なぜ新島は宮下に手を貸すのか？
黒沢清監督自身が2024年に同作をリメイクするそうでそれを記念してオリジナル版がYouTubeで公開されていたので観た。85分と短い尺ながら全編を通して不穏な雰囲気が漂っている。男たちが監禁される廃工場やラストの銃撃戦の舞台など黒沢監督作品ならではの秀逸なシーン演出もその不穏さを増幅させる。
全体的に陰鬱で気持ちの悪い物語ではあるのだが哀川翔が演じる新島はとても印象的だ。世界の法則を表すかのごとき不思議な数式を黒板に書き連ねる様子は「超人」的存在感を際立たせる。ラストショットも含め、Vシネで長らくタッグを組んできた黒沢監督は彼の魅力を知悉していたのだろう。
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