ピロシキ

ショーイング・アップのピロシキのレビュー・感想・評価

ショーイング・アップ(2022年製作の映画)
4.0
芸術家仲間であり、互いに隣人でもあるミシェル・ウィリアムズとホン・チャウ。しかしなかなかお互いにそりが合わない。そんな二人の性格の違いは、それぞれが生み出すアートに如実に現れる。外側に爆ぜるようなダイナミックな作品で華々しく個展を飾るホンチャウ。一方で、少し火力が強いだけで焦げてしまうような、内側へ潜り込むようなワレモノ注意の作品を並べるミシェル。

他者との接触を絶って穴を掘る人間もいる。一方で、傷が治ればポーンと飛んでいってしまう、ハトもいる。もう人間関係なんてアホらしい!と一蹴してしまいたくなる日もあるかもしれないが、人間として生まれた以上は、息をして飯を食って、そしてたまには何かを生み出して、人間と関わりながら生きていくしかない、なんて。そんな重い話じゃないはずだけど、そこまで考える余地をも与えてくる不思議な作品だった。

それはそうと、俳優・アンドレ3000の使い方、100点ではないか。オープニングで「フルート演奏 アンドレ・ベンジャミン」と出てきた時点で大勝利。
ピロシキ

ピロシキ