ロバの感情を寄りで捉えるカメラが容赦ない。
馬との対比が解りやすくて良かった反面、人間の描かれ方がいまいち上手く機能していないように感じてしまった。優しい人間もいれば、酷い奴もいるといった感じで、少し平坦だったような気がする。
しかし、なぜロバの物語にしたのかは確かに伝わってきた。馬ほど大きくないが、気軽に飼うことはできない。かといって、害獣でもない。そんな立ち位置のロバを主人公に据えたことで、EOの孤独さは痛いほど伝わってきた。
映像も大胆で素晴らしく、音楽も独特。長すぎないのも好印象な良作だった。